2016年4月26日火曜日

今週の今昔館(4) 開館15周年特別号 20160426

 大阪くらしの今昔館 館長の谷直樹です。
大阪くらしの今昔館 館長 谷直樹


 大阪くらしの今昔館は、4月26日に開館15周年を迎えました。

 大阪市立住まいのミュージアム(愛称:大阪くらしの今昔館)は、「住まいの歴史と文化」をテーマにした、日本で初めての専門ミュージアムで、平成13年(2001年)4月26日に開館しました。この間、今昔館では、町の風景や暮らしの変化をさまざまな切り口で展示してきました。ここでは15年間の成果を振り返ってみたいと思います。

 常設展示は、江戸時代の大坂の町並みを実物大で再現した「なにわ町家の歳時記」、大阪の近代を精密なジオラマ模型と実物資料で展示した「モダン大阪パノラマ遊覧」から成り立っています。江戸時代の町並みでは、朝・昼・晩の一日を音と照明で演出し、季節ごとにしつらいを変えるため、博物館の専 門家から“劇場型展示”と評価されました。このような博物館の展示設計は、15年前には画期的なものでした。今昔館の展示がいまだに陳腐化しないのは、 開館時の企画・設計と丁寧な施工によることは言うまでもありません。


 一般に、博物館は開館後10年を経過すると、常設展示のパネルや機器の老朽化が進みますが、今昔館では、きめ細かい修復を実施し、開館8年後の平成 21年にはリニューアル工事を行い、演出にCGを導入して魅力度をアップしました。こうしたメンテナンスも展示を時代遅れにさせない秘訣です。


 企画展も110回の展覧会を開催しました。
 「世界遺産をつくった大工棟梁ー中井大和守の仕事」、「マスダさんちの昭和 レトロ家電」など、今昔館ならではのユニークな展覧会を企画しました。このよ うな展覧会が開催できた背景には、館蔵資料や寄託資料の充実があります。寄託資料の中には平成23年に国の重要文化財に指定された「大工頭中井家関係資料」(5,195点)や「お迎え船人形」(大阪府有形民俗文化財)、船形山車「天神丸」(大阪市指定文化財)など貴重な文化財が含まれています。


 この間、他団体との連携も進みました。摂南大学、関西大学、住総研、ギャラリーエークワッド、大阪ガス・エネルギー・文化研究所などと連携し、企画展では「淀川舟游」、「浪花の大ひな祭り」、「再現!道頓堀の芝居小屋」、「明治・大正お屋敷ドローイング」、「東洋+西洋=伊東忠太」などを開催しました。


 今昔館では、見せるだけでなく、来館者が参加できる展示をめざしています。実物大に再現した町並みでは年中行事、落語会、上方舞、お茶会などを開催し、町の風情や賑わいの様子が追体験できます。その中心を担っているのが、 ミュージアムボランティア「町家衆」です。町家衆は、町の案内、餅つきや書初め、お彼岸の見世物、おじゃみ(お手玉)や折紙、昔語りや大道芸など、多彩な企画を展開しています。


 このように、今昔館の15年間の活動は、大阪から全国に情報発信を行ってきました。予算の関係で、派手な宣伝や大きな展覧会はできませんが、口コミで地道に影響力を広げてきました。


 ところで、最近、顕著になってきたのは、外国人来館者の増加です。今昔館が開館した2001年頃は、訪日外国人旅行者数は年間500万人でしたが、2013年に史上初めて1,000万人を突破し、2015年は2,000万人近くになりました。今昔館でも2013年頃から外国人来館者が増えています。そのきっかけは町家衆が始めた「着物」の着付けで、インターネットを通じて海外に広がりました。現在では年間10万人が着付けを体験していますが、そのほとんどは外国人観光客です。開館初年度の外国人が2,000人程度であったのに比べると、隔世の感があります。


 外国の方が多く来館されると、その対応も大変です。展示解説や案内は、開館時に英語・中国語・韓国語のパンフレットや音声案内(有料)を用意しましたが、これだけ多くの来館者は想定していませんでした。文化や習慣の違いから、土間のように土足で良いところと座敷のように靴を脱ぐところの区別がつかないとか、立入禁止を示す竹の結界(けっかい)の意味が伝わらないなどのトラブルが相次ぎました。


 そこで現在、今昔館では、館内の多言語化に力を入れています。「なにわ町家の歳時記」の展示室では、風呂屋シアターの映像に日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語の字幕を入れて、外国の方にも内容が理解できるようにしました。もちろん、日本人にも内容がよく理解できると好評です。一方、近代の「モダン大阪パノラマ遊覧」の展示室では無料Wi-Fiを整備し、展示コーナー10か所にQRコードを導入して、これも日・英・中・韓の4か国語でより深い展示解説が楽しめるようにしました。


 今昔館では、今年1月に300万人目の来館者を迎えました。入館者数だけを博物館の評価基準にするつもりはありませんが、今昔館は国内外の来館者を迎え、大阪の文化を発信していることは確かです。これからも常に新しい企画に挑戦し、魅力的な情報を発信しつづけることが大切だと考えています。



大阪くらしの今昔館 町並み俯瞰



〇企画展示「今昔館の宝箱 町家を彩る襖と屏風」開催中
 会期:平成28年4月16日(土)~5月15日(日)
 会期中の休館日:平成28年4月18日(月=第3月曜)・19日(火)・26日(火)、
             5月6日(金=祝日の翌日)・10日(火)

 企画展示について詳しくはこちらからどうぞ。

(今週のイベント)
〇ヘルマンハープコンサート
 4月30日(土)14:00~15:00
 バリアフリー楽器ヘルマンハープと共に
 出演:シュトラーセ

〇町の解説
 5月1日(日)13:00~16:00

〇町家寄席-落語
 5月3日(火・祝)14:00~15:00

 5月4日(水・祝)14:00~15:00

(今週のワークショップ)
〇からくり玩具’かわり屏風’を作ろう
 5月3日(火・祝) ①13:00~ ②14:30~ 
 当日先着各回10名、参加費:400円

〇兜作り
 5月5日(木・祝) ①13:30~ ②14:30~ 
 当日先着各回10名、参加費:100円
  ※中学生以下対象

〇おじゃみ
 5月8日(日) 14:00~16:00 
 当日先着15名、参加費:100円


(翌週のイベント)
〇お茶会
 5月15日(日)13:00~15:00
 当日先着50名 茶菓代:300円
 協力:大阪市役所茶道部 

〇今昔語り
 5月15日(日)14:30~15:00

〇絵本で楽しい時間
 5月22日(日)14:30~15:00


(翌週のワークショップ)
〇押し花でしおりを作ろう
 5月14日(土) ①13:30~ ②14:30~
 当日先着各回10名、参加費:200円
〇鶴のつなぎ折り
 5月15日(日) 14:00~15:30
 参加費:100円、数に限りがあります

大阪くらしの今昔館について詳しくはこちらをどうぞ。
これからも今昔館をどうぞよろしくお願いいたします。

住まい・まちづくり・ネットでは、大阪市立住まい情報センターで開催している住まいや暮らしに役立つ様々なイベント情報を発信しています。単身、子育て世帯、高齢者など、みんなで学べるイベントが盛り沢山です。トップページはこちらをどうぞ。

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